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アンコンシャス・バイアス
アンコンシャス・バイアスとは、文字通り「無意識(unconscious)の偏見(bias)」です。人間は、自身の経験や、従来からの慣習・周囲の意見などをもとにした思い込みを持っています。そのような無意識の思い込みを通して、他者に対して偏った印象を抱きがちであることを指します。
アンコンシャス・バイアスには、第一印象で人を判断してしまう「確証バイアス」や、自分と境遇が似た人を高評価する「類似性バイアス」など、いくつかの偏った認知があります。
また、「上司・先輩の誘いは断りにくい」「子育て中の女性が残業にならないよう管理職にさせない」などの「集団同調性バイアス」「ステレオタイプバイアス」もあります。無意識であっても、従来の慣習や、良かれと思って配慮した気づかいなどが、ハラスメントや不公平な評価を引き起こすことがあります。
アンコンシャス・バイアスがある職場では、発言した側に悪意はなくとも、ハラスメントであると感じた側がやる気を失ったり、挑戦の機会を失う場合があります。被害を受けた側からのSNSなどによる情報拡散から、組織の信用が失われかねません。
また、採用や評価の場面で、「定時であがる人はやる気がない人」「転職が多い人はこらえ性がない人」などといった偏った思い込みで人を判断していては、多様化する人材へ正当な評価をすることは難しいでしょう。
職場の風潮を変え、アンコンシャス・バイアスの芽をつむために、無意識の偏見を自覚していただくことが第一です。長年組織の中にいて当たり前になってしまっている慣習には気づきにくいので、第三者による教育を受けることも良いでしょう。採用の際に先入観を持たないよう応募制度に工夫をこらしている企業もあります。
しかし、必ずしもすべてのアンコンシャス・バイアスを除去することが良いとも限りません。
アンコンシャス・バイアスは、経験則や直感などによる「迅速で正確な判断(ヒューリスティクス)」を可能にする場合もあるからです。
直感と、偏った見方はどう違うのかを正しく理解し、組織運営に悪影響を及ぼす偏見を是正し、問題化しないようにすることが重要です。
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